投資でNISAを行っている人も多いと思いますが、2024年から現在のNISAの仕組みとは大きく変わる部分が出てきます。
長期的に運用していくためには、これから変わる新NISAの仕組みをしっかり理解しておく事が重要です。
- NISA制度について
- 新NISAと旧NISAの違い
- 新NISAのメリット、デメリット
- NISAを始めるタイミング
旧NISA、新NISAのそれぞれの違いとメリット・デメリットを解説するので、自分にあった投資方法を選ぶ際の参考にしてください。
NISAとは?
NISAって言葉をよく聞くけれど、
いまいちどういうものかわかりません
それではまず、NISAがどういうものかおさらいしてみましょう!
NISAとは、「小額投資非課税制度」と呼ばれるものです。通常の投資だと、利益に対して20.315%の税金がかかるのに対して、NISAは最長5年間、年間120万円が非課税になります。
利益から税金が引かれないため、手元に残るお金が多くなるのが特徴です。
- 小額投資非課税制度で運用できる
- 日本に住む18歳以上の人が対象
- 年間120万円の投資枠に対して最長5年間非課税
- NISA口座は1人1口座
新NISAと現行NISAの違いとは?
2024年からNISA制度が見直されます。これまでのNISAの特徴と比較しながら、新NISAがどのように変わるのか見ていきましょう。
旧NISA | 新NISA(2024年~) | |
選べるNISA枠 | つみたてNISA・一般NISA選択制 | つみたて・成長投資枠併用可 |
年間投資枠 | つみたてNISA40万円・一般NISA120万円 | つみたて投資120万円・成長投資240万円 |
非課税保有期間 | つみたてNISA20年間・一般NISA5年間 | どちらも無期限 |
非課税保有限度額 | つみたてNISA800万円・一般NISA600万円 | あわせて1,800万円(成長投資枠1,200万円) |
投資対象商品 | つみたて:長期の積立・分散投資に適した投資信託、 成長(一般):上場株式・投資信託など |
これまでのNISAでは、つみたてNISAと一般NISAの併用はできず、選択制となっていました。新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が新たに設けられ、併用が可能になりました。
非課税枠再利用が不可だった旧NISAに変わり、売却時に非課税投資枠の再利用が可能になりました。旧NISAの口座開設期間は2023年末までですが、新NISAが始まってから旧NISAを売却する必要はありません。
それぞれの保有期間内は、旧NISAも非課税で保有し続けられるよ!
2024年から変わる新NISAのメリット
実際、新NISAは今までのNISAと比べて何がいいの?
2024年から変わる新NISAのメリットについて、ご紹介していきます。
1、長期的な資産運用に取り組める
旧NISAでは、非課税保有期間が「つみたてNISA」が20年間、一般NISAが5年間という期限が設けられていました。
そのため、保有期間を気にしながら資産運用を行っていたでしょう。特に一般NISAは保有期間が5年間と短く、期限を気にしながらの資産運用になりがちでした。
新NISAでは、非課税期間が無期限になるので、期限を気にすることなく長期的な資産運用に取り組めるようになります。
また、長期運用が臨めることによりリスクも軽減されます。長期間による複利の効果も期待できるため、将来のために貯金をしておきたい方に最適です。
2、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できるようになった
新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できるようになりました。これまでの旧NISAでは、投資を始める際に手法に合わせて「つみたてNISA」か「一般NISA」のどちらかを選ぶ必要がありました。
しかし、投資初心者の場合、手法に合わせてどちらかを選ぶという事は難しく、投資戦略の幅も広がりにくいという特徴がありました。このようなデメリットが新NISAでは解消されています。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用できるようになったことで、それぞれのメリットを合わせた投資戦略を立てられるようになりました。
例えば、主な投資戦略として長期的なものを「つみたて投資枠」で行い、比較的リスクやリターンの大きいものは「成長投資枠」で余裕資金の中で行うなど、その時々に合わせた柔軟性の高い投資戦略を立てられます。
長期と短期、それぞれの投資戦略を立てられるのは嬉しいですね!
投資初心者でも、使い分けが簡単になったのが嬉しいところです
3、非課税枠が増えた
新NISAでは、年間投資可能額が「つみたて投資120万円」「成長投資240万円」と大幅に増えました。また、生涯投資額は旧NISAが800万円のところ、新NISAは1,800万円まで増えています。成長投資枠は1,200万円ですが、つみたて投資だけで1,800万円利用することもできます。
また新NISAでは、売却後も非課税保有枠が復活。やむなくお金を引き出すことになった場合も、改めて投資を始められますよ。
ライフステージにあわせて運用できるのは嬉しいです!
長期間の投資は何があるかわからないから、
非課税枠の復活は嬉しいですね
新NISAにデメリットはある?
新NISAのメリットについて紹介しましたが、デメリットと感じられる部分もあります。
旧NISAの一般NISAでは、非課税期間が終了した時にロールオーバーをして非課税期間を延長できていました。しかし、新NISAになるとロールオーバーができないので、一般NISAの残高は非課税期間が終わるまでに売却するか、課税の対象として運用するかのどちらかになります。
また、新NISAの成長投資枠は対象商品が限定されているため、旧NISAで利用していた商品が使えない可能性があります。成長投資枠の対象商品は、以下に当てはまるものです。
・整理・監理銘柄
・信託期間が20年未満の投資信託
・毎月分配型の投資信託
・デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
新NISAの成長枠を選ぶ際は、あらかじめ対象商品を確認しておきたいところです。
2023年中にNISAを始めるとより長期投資が可能になる
2023年中に利用できるNISAの非課税投資枠は、新NISAでの仕組みとは別枠となります。そのため、新NISAの生涯非課税限度額には影響がありません。
悩んでいるなら、2023年中に始めた方が良いってことですね!
2023年中に始めれば、新NISA・旧NISAの両方で投資ができますよ
長期間非課税での保有を目的とするならば、「つみたてNISA」がおすすめです。多くの非課税投資枠を利用したい場合は「一般NISA」が適しています。
どちらにしても、NISAでの投資運用は少しでも早く始める事で長期的な投資が可能となります。そのため、長期投資を検討している場合は、2023年中に始めると良いでしょう。
まとめ
さて今回は、2024年から変わる新NISAとは?というテーマで、旧NISAとの違いやメリットを詳しくまとめてみました。
旧NISAと新NISA、それぞれにメリットがあります。初めて投資を始めるならば、つみたて投資と成長投資の併用ができる新NISAにすると選ぶ時に迷わずにすみます。
生涯投資枠を増やして投資額を増やすならば、2023年中の今のうちに旧NISAを始めましょう。